わー、我ながら最悪なタイトル……。どうも、ご無沙汰してます。ぷろきおんです。
このくだりいる?って何度か自問したんですが、やはり素晴らしい作品は悔いのないように布教していかないとなと思ったので記事をしたためました。あとは自分が初心を忘れないためにも。
そもそも私が合成音声の沼に足を踏み入れたのはたかだか五、六年前のこと。それも長らくROM専でした。それ以前はボカロクラスタ(といってもたまに動画を観るくらい、それもニコニコではなくYouTubeで)に属していました。多少キャラ被りのあるお隣の界隈という感じでしょうか。たしか東方(ゆっくり)から来た人が多いんですよね、ボイチェビ勢。まあ、「トーク」という括りでは同じですし。ボカロに喋らせたりボイロに歌わせたりするほうが異端なのはそれはそう……。
ちょっといろいろあり、夢破れて消沈していた学生時代の私が縋ったのが、トークロイド(ボカロを調声して喋らせる技術、略してトクロ)の劇場動画でした。人間、メンタルがごりごりに削れてるとベタ甘な恋愛モノくらいしか咀嚼できないもので(個人差があります)一時期ネギトロだのレンネルだのばかり視聴していました。あの頃は底冷えのする冬の都心へ出て来るとそれだけで息が詰まる感じがして、ひと気のない湘南海岸できらきら燦めく水面をただ悄然と眺めていたものです。それくらいしんどかった。そんな最中、サジェストで目にとまったのがこちら、キマシタワーP作のゆかいあシリーズです。2018年3月19日、月曜日のこと。誇張抜きで灰色の世界に色彩が戻ったあの感覚は、今なお鮮やかに思い返せます。まさしく運命の出逢いでした。この作品にうつつを抜かして、現実の女の子からの好意へお返事をすっぽかしたのは、また別のお話……。これ、健常者エミュレータ事例集に載るべき事案かもしれない……。
IAちゃんはOrangestar様のアスノヨゾラ哨戒班で知っていたのですが、この紫のツインテ(?)の子だれ?ゆかりさんって言うの……?えっ、この子、お友達にこんなクソデカ感情抱いて、こんな表情向けるんだ……。エモすぎない……?早く結ばれて幸せに満ちたお顔を見せて……みたいな感じであっという間に完走しました。いや、正確には何周も擦り切れるほど観ました。すっかり関西弁がうつってしばらく抜けなくなるくらいには。と同時に、どのキャラが好きとかではなく、百合という関係性そのものの秘める本質的な尊さを会得しました。実は母がコレクションしていた「エロイカより愛をこめて」を幼いころから読んでいましたが、けっこうBL要素があったんですよね。血は争えないな、ほんと。というか、青池保子で腐と冷戦期の欧州情勢を履修させるの、今思えばカスの英才教育ですね……。
なにはともあれ間に挟まってはダメ。というか自分が推しの人生に干渉するのがちょっと解釈違いというか……。ほら、量子論の教科書のさわり(誤用)でハイゼンベルクの不確定性原理ってあるじゃないですか、ある系を観測したらそれによって系自体の状態が変わっちゃうっていうやつ。ちょうどあんな感じです。だから推しCPの夜の営みとかのくだりとかも正視していいのかかなり逡巡してしまうんですよね…目を覆った指の間からこっそり覗いてはいるけど……。まあ、そんな外的要因くらいでは揺らがない強固な絆をはぐくんでほしいのはそれはそう。
そう、願わくば来世ではタマサボテンかサンスベリアに生まれ変わって、一つ屋根の下暮らす彼女たちの吐いた二酸化炭素を酸素に戻すお仕事がしたい。光合成には日光が必要って?ゆかりさんの放つ月明かりでも、IAちゃんの背中から差す星灯りの後光だけでも充分です。どうか永久に照らしておくれ……。
話が逸れましたが、MMDでこれだけ違和感なくアニメーションを作れるのは凄まじい技術ですし、トクロでこれほど滑らかに発声できるのもそう(それも回を重ねるにつれてプロの域に達していくのがすごい)。私はどんなに少なくともあと十年は精進が必要です。そして、ゆかりさんのおかげでボイロというソフトの存在を知りました。技術的にはボカロより数段以上ハードルが高いはずなので、とうとうこんな代物を一般の人が使える時代が来たんだ!という感慨に浸ったものです。(実際にはボカロと上市時期に大差なし)
それからというもの、少しばかりの暇を見つけてはニコニコでボイチェビ動画を漁る生活が続きました。(もちろん今もですが)あの頃はパンジャンが一大ブームでしたね。百合方面の作品だと、かカカカ様のゆかマキ劇場はコミカルな要素も織り込みつつ、ゆかりさんからマキさんへの甘酸っぱい恋慕が描かれていて最の高でした。
はなびる様の「アメリカ行きましょうアメリカ!」シリーズもとりわけ印象深かったうちの一つです。砂糖マシマシで思わず口角が上がっちゃう系統です。
ほかにも、ティンティンP様の「愛の逃避行」シリーズ(未完)。もうサムネから尊い。こちらもThe Crew実況ですが、実質ほぼ劇場です。重い恋心もいいよね……。一見幸せそうに見える人にもその人なりの苦悩がある。女の子同士支え合って逞しく生き抜いてほしい。狂った夜を堕とせ……。というかゲーム実況にストーリーを組み込んで劇場動画化できるの神すぎませんか?続き見たさではや六年。今日も元気に生きています。
あにゃりす様の「琴葉葵は眠れない」もよかった(リンクは最近出たリメイク版)。鬱屈した想いを抱えがちな葵ちゃん、めんどくs…可愛いね……。あおおねめっちゃ好きなんだよな…衰弱P、もとい柿崎すい様とか、小説だとみかぜ先生とか。
楽曲だとねじ式様のピニャコラーダがこの時期に出逢った作品です。愛に欲に溺れるような、それでいてどこか後ろめたさを感じさせる腐れ縁の間柄もよいものです。流星PのMagnetや、いたちまPのカタストロフィにサンクチュアリもそうでしたが、ボカロの百合曲ではこの手のコード進行がメジャーなのでしょうか?いえ…minorですけどそうじゃなくて……。
まったく別の系譜では傘村トータ様の「今日も空が綺麗だから」にも随分救われましたね。ボーカルとピアノだけのシンプルな構成ながらこれだけ心を揺さぶれるの、ほんとなんなんだろう…沈む夕日を眺めながら聞いてると無性に涙が出てくるんだよな……。ちょうわ……。
あとはOrangestar様の曲を片端から聴いていました。基本的にはIAちゃんで作曲されている方なのですが、CitrusでOИEちゃんの存在を知りました。もっとも当初はかっこいい印象だったので、まさかこんな立ち位置に、しかも名前をひらがなで表記されることになる子だとすら夢にも思いませんでした。CS7のソングのおねちゃん、芯のあるパワフルな声で好きなんですよね。よくニコニコでおねのカバーを探して聴いたりしていたものです。おねがいダーリンとかミライもよかった。昔のことでも案外覚えているもの。でもまだこの時点では取り立てて惚れ込んでいたわけではなく、鳴花ミコトくんとかv_flowerと同列に捉えていました。歌声の系統は似通ってますからね。あとはRanpuutanさんのMMD劇場もよかった。このサムネにすべてが凝縮されているのですが、IAちゃんのことが大好きでゆかりさんにつんけん当たっちゃう不器用なONEちゃんかわいいんですよね…みんな見て……!
あとは、あの頃のTLはペニーワイズが沼に引きずり込むコラ動画で溢れてましたね…。無性に懐かしい……。
さて、そろそろおねに射止められた話をば。直接のきっかけはDEKASEGI様の「君の知らない物語」カバー
そして止めを刺したのがkagari先生のこのイラストです。
おねがい全人類見て聴いて。DEKASEGI様の神調声については私からとやかく論評する必要はないでしょう。ONEカバーの金字塔。いっぱいすき。この文章を書いている今も聴き返しながらぼろぼろ泣いてます。
kagari先生の「あれっ……?!」は私自身が似たような経験があってめちゃくちゃ刺さりました。共感できるからこそ好きになれる。百合と一緒かもしれません。この時期、お仕事でやらかして凹んでたんですよね。まさか始末書沙汰起こすなんてね。万事が順風満帆なときはそうそう新しいものにハマらないので、きっとこれも何かの縁でしょう。すべての発端のミクさんも、3.11で心にあいた空虚を埋めてくれたわけだし。あれ…姉のように慕っていたはずの初音ミクがひとまわり近く年下になってる……?!ウワーッ!!!
こうしておねちゃんの人として認知されて現在に至るわけですが、実際にはご覧いただいた通りの箱推しだし雑食です。二次元ならこれといって地雷とかもないのでご安心を。
その後は現在進行形です。まさか自分が動画や同人誌を作ることになるなんて思いもよりませんでした。コロナ禍があの時期になければ、きっとだらだらと学生時代の延長みたいな日々を送っていたことでしょう。今ほど界隈に深入りすることも、ましてや二次創作にのめり込むこともまず無かったと思います。人生、さまざまな偶然の産物です。その時は気にも留めないような小さな分岐点の、ほんの些末な出来事が全く異質の未来へといざなってしまう。ただ、事ここに至った以上は力尽きるまで何某かを世に吐き出し続けられればと思います。動画や小説に限らずいろいろなものに手を出したいですね。グッズも作りたいし新譜も書いてみたい。おねちゃん買ってはじめてやったのは曲作りだったし。同人活動の実績を解除していきたい。どうも稀有な環境に身を置いていたのか、リア友にも別ジャンルで新刊出してる人や売り子やってる人が多くて、むしろオタクでない方が肩身が狭かったので、ようやくオタクですらない何某かから一介のオタクになれたことに安堵しています。あとはよく通る道に印刷所があって、親近感を通り越して憧憬に近い念を抱いていたのもそう。まさか本当にお世話になるときが来るとは!感慨深いものがありますね……!
以上、実質ほとんど百合談義でした。それにしても、好きが高じるとかくも饒舌になれるものなのですね。きっとこれも世に言うおじさん構文と同根……。取り留めのない拙文に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!